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リスク工学研究会(Risk Engineering Research Meeting:RERM)

趣旨

近年,個人・企業等の自然災害のリスクおよび社会リスクに対する関心は高くなってきている. 地球規模での高度情報化が進み,社会システムも複雑化する一方で,ひとつの事象を限定的な分野内で把握し,問題点を解決することは年々難しくなっている. リスク評価の難しさは,社会の複雑化と密接に関連しており,リスクに対する関心の高まりは,昨今の複雑かつグローバルな社会事象を反映していると思われる. そのような背景の中で,電子情報,機能工学,社会工学という「リスク」をキーワードとして集まった,異なる分野の研究者により構成されるリスク工学専攻には,これらのニーズに応えるポテンシャルがあると考えられる. しかし,そのためには抽象的なレベルでの議論ではなく,具体的な構想を練らねばならない. それには次の二点が必要であると考える. ひとつは,各構成員がリスク工学に適した研究をしっかりと進めていくことであり, もうひとつはこれらの各研究を可能な範囲で連携していきリスク工学専攻内での共同研究プロジェクトとして立ち上げることである. それらが集まった時に自ずとリスク工学専攻としてのユニークな将来構想が見えてくる.

2019年度開催RERM

第187回リスク工学研究会
講演日時 2019年12月23日(月)18:15-19:15
場所 筑波大学総合研究棟B-0110公開講義室
講演者 山中英生氏(徳島大学大学院社会産業理工学研究部 教授)
講演題目 自転車の交通安全について -双方向通行に危険性評価-
講演概要 自転車事故は約70%が交差点で発生し,自動車と自転車が交差する事故が8割を占めるなど,交差の生じる場面での安全性確保が重要である.幹線道路小交差点の出会い頭事故では,自動車の左側から来る自転車(右側通行)の事故率が高いことが知られている.無信号交差点での自動車発進時の自転車の進行方向別構成率の分析では,自動車の直進・左折時には左側からの自転車との事故割合が高いが,右折時は右側からの自転車との割合が高くなる.このように,自動車の進行方向により衝突する自転車の通行方向の偏りが異なるのは,ドライバーにとって両方向から現れる自転車への注視が困難であることが要因と考えられる.講演では、ドライビングシミュレータを使った実験、金沢市での左側通行整序化による事故低減状況の分析について概要を説明し、左側一方向通行への整序化の重要性について議論する。
企画担当・司会 劉俐伶(リスク工学専攻 博士後期課程)
問い合わせ先 2019年度RERM担当 高安亮紀(takitoshi"at"risk.tsukuba.ac.jp)

第186回リスク工学研究会
講演日時 2019年12月16日(月)18:15-19:15
場所 筑波大学総合研究棟B-0110公開講義室
講演者 佐藤稔久氏(産業技術総合研究所自動車ヒューマンファクター研究センター)
講演題目 自動車運転におけるタスクディマンドコントロール
講演概要 運転支援システムの実用化が進みつつあり,自動車の運転に対して様々なサポートが可能となってきている.ドライバーの運転を適切に支援し,役に立つサポートを実現するためには,運転行動を理解することが必要不可欠である.本講演では,交通心理の理論の一つであるTask-Capability Interface Modelを使った運転行動の捉え方を紹介し,モデルの構成要素であるタスクディマンドに着目した研究を紹介します.具体的には,タスクディマンドの実験的な推定方法,リアルワールドにおけるタスクディマンドのコントロールの仕方,そして,タスクディマンドコントロールと運転の楽しさとの関係に関わる研究事例を紹介し,将来の運転支援の在り方を議論します.
企画担当・司会 梁祖翹(リスク工学専攻 博士後期課程)
問い合わせ先 2019年度RERM担当 高安亮紀(takitoshi"at"risk.tsukuba.ac.jp)

第185回リスク工学研究会
講演日時 2019年12月2日(月)18:15-19:15
場所 筑波大学総合研究棟B-0110公開講義室
講演者 Chris Dai氏(株式会社 レシカ 代表取締役社長)
講演題目 スケーリングブロックチェーン:安全性と分散性と拡張性のジレンマ
講演概要 世の中でパブリックブロックチェーンの実装ケースがまだ少ない理由の一つとして問題になる安全性と分散性と拡張性のトレードオフである。このトレードオフを正しく理解し、グローバルで実装されようとしているユースケースを紹介していきます。近々に話題に上がるリブラを含めたブロックチェーンの応用事例と技術面以外でのチャレンジも含めて事例をビジネスと規制の視点で分析していきます。
企画担当・司会 面和成(システム情報系 准教授: リスク工学専攻担当)
問い合わせ先 2019年度RERM担当 高安亮紀(takitoshi"at"risk.tsukuba.ac.jp)

第184回リスク工学研究会
講演日時 2019年11月18日(月)18:15-19:15
場所 筑波大学総合研究棟B-0110公開講義室
講演者 佐波 晶氏(大日本印刷株式会社 ABセンターICT事業開発本部 事業開発第2ユニット第4部/部長)
講演題目 博士の企業就職というキャリアパス
講演概要 日本の大学院における博士号(工学)取得者のうち、約5割がアカデミアに就職する一方、4割強は企業に就職している。本講演では、実際に博士号を取得し、大学での教員を経て企業就職した講師から、現在所属する大日本印刷株式会社の事業紹介とリスク工学研究への繋がり、従事する業務と日常的な活動を紹介する。その上で、企業人から見た博士号の意義や、博士後期課程における研究・学修が企業活動にどのように役立つかを紹介するとともに、業務において期待されるスキル・理解を考察し、博士の企業就職というキャリアパスについて参加者と検討を深める。
企画担当・司会 齊藤(システム情報系 助教: リスク工学専攻担当)
問い合わせ先 2019年度RERM担当 齊藤裕一(saito"at"risk.tsukuba.ac.jp)

第183回リスク工学研究会
講演日時 2019年10月21日(月)18:15-19:15
場所 筑波大学総合研究棟B-0110公開講義室
講演者 村上正浩氏 (工学院大学建築学部まちづくり学科 教授/TKK助け合い連携センター長)
講演題目 ターミナル駅周辺地域のエリア防災対策
講演概要 東日本大震災時、首都圏のターミナル駅周辺は大量の帰宅困難者による混乱が社会問題となった。しかし首都直下地震が発生していれば、大量の帰宅困難者だけでなく、甚大な物的・人的被害も同時多発し、ターミナル駅周辺は大混乱したことは容易に想像がつく。さらに企業の業務継続も困難となり、日本経済に多大な影響をもたらしたことであろう。このような状況を踏まえると、事業所・建築物単位での防災対策には限界があり、ターミナル駅周辺の各主体が連携し、地域が一体となって防災対策を推進していくことが必要である。本講演では、世界有数のターミナル駅である新宿駅周辺地域をモデルとして、こうしたエリア防災の考え方や実践事例を紹介する。
企画担当・司会 鈴木勉(システム情報系 教授: リスク工学専攻担当)
問い合わせ先 2019年度RERM担当 高安亮紀(takitoshi"at"risk.tsukuba.ac.jp)

第182回リスク工学研究会
講演日時 2019年10月7日(月)18:15-19:15
場所 筑波大学総合研究棟B-0110公開講義室
講演者 高橋雅夫氏 (独立行政法人統計センター 情報技術センター長)
講演題目 公的統計の品質向上に関する取り組み
講演概要 公的統計の品質に関しては、最近いろいろなところで話題になっているが、公的統計の品質を確保し向上させるための取り組みは、実は政府の統計部局等において従前から行われてきたところである。そのような取り組みが公的統計の作成過程の隅々まで浸透していれば、公的統計の正確性や信頼性が損なわれるような事態はほとんど生じることはないものと考えられる。 本講演では、我が国における公的統計の品質の確保・向上に関する体系的な取り組みについて紹介するとともに、講演者が関わってきた公的統計の品質向上に関する具体的な研究の概要やその成果について紹介する。
企画担当・司会 イリチュ(佐藤) 美佳(システム情報系 教授: リスク工学専攻担当)
問い合わせ先 2019年度RERM担当 高安亮紀(takitoshi"at"risk.tsukuba.ac.jp)

第181回リスク工学研究会
講演日時 2019年7月1日(月)18:15-19:15
場所 筑波大学総合研究棟B-0110公開講義室
講演者 齊藤裕一氏 (システム情報系 情報工学域 助教)
講演題目 ヒヤリハットデータ解析に基づく先読み運転知能の高度化
講演概要 歩行者事故は,環境,人的,また車両要因の交錯の結果であり,発生頻度が稀である一方で,重篤な被害を生む可能性が高い.スマートモビリティ研究拠点では,2004年度からドライブレコーダを用いたヒヤリハットデータを収集し,データベースを構築している.ヒヤリハットは,交通事故より高確率で発生しており(ハインリッヒの法則),ヒヤリハット研究の目的は,事故・ヒヤリハット発生のメカニズムを明らかにし,有効な予防安全技術を構築することである.本講では,対歩行者のシナリオを対象に,走行環境の文脈特徴から予測される潜在危険度を推定するモデルの構築ならびに知識情報の更新に基づく運転知能の高度化(Cyber-Physicalシステム)について概説する.
企画担当・司会 高安亮紀(システム情報系 助教:リスク工学専攻担当)
問い合わせ先 2019年度RERM担当 高安亮紀(takitoshi"at"risk.tsukuba.ac.jp)

第180回リスク工学研究会
講演日時 2019年6月17日(月)18:15-19:45
場所 筑波大学総合研究棟B-0110公開講義室
講演者 (1)今井賢樹氏 (東京電力HD 立地地域部リスクコミュニケーター)
(2)石田守也氏 (東京電力HD 立地地域部原子力センター)
講演題目 (1)福島第一原子力発電所の事故と廃炉作業の現状
(2)企業はどのような人材を求めているか
講演概要 (1) 2011年3月11日の大震災に伴い発生した福島第一原子力事故の概要とその後の廃炉作業の課題である核燃料の取り出しや日々増え続ける汚染水への対策、事故直後は過酷であった作業現場の改善状況などを説明する。また、事故を起こした東京電力HDの福島復興へ向けた取り組みや事故後の日本の原子力発電所の動向についてもあわせて紹介する。

(2) 千人近い採用面接の経験を有する元人事担当者から、「企業がどのような人材を求めているか」について、様々な企業が面接で確認するポイントはもちろん、自らが見るポイントも紹介し、今後採用面接に臨まれる学生に、ヒントにしてもらい、かつ今後の学生生活の送り方にも留意いただけるよう事例を元にお話しさせていただく。また、今後就職を迎える学生に、「仕事する上で大切なこと」についても自論と実際の事例(共感いただける内容を吟味)をお話しし、今後の糧、普段の行動、習慣に変化を及ぼすきっかけとしてもらう。
企画担当・司会 岡島敬一(システム情報系 教授:リスク工学専攻担当)
問い合わせ先 2019年度RERM担当 高安亮紀(takitoshi"at"risk.tsukuba.ac.jp)

第179回リスク工学研究会
講演日時 2019年6月3日(月)18:15-19:15
場所 筑波大学総合研究棟B-0110公開講義室
講演者 木下陽平氏 (システム情報系 社会工学域 助教)
講演題目 合成開口レーダー干渉法(InSAR)で大気を診る: GPSに続く宇宙測地技術の気象学的応用へ
講演概要 合成開口レーダー(SAR)の応用技術である干渉SAR(InSAR)は、自然災害や人間活動に伴う地表面の変位をcmオーダーの精度で面的に抽出できる唯一無二の技術であり、いまやGNSSと並ぶ強力な宇宙計測技術の一つである。InSARはGNSSと同様にマイクロ波が地球大気、特に対流圏内の水蒸気の影響を受け計測精度を制限しておりその補正は重要な研究課題のひとつであるものの、見方を変えればこれは新たな水蒸気観測手法としてInSARを活用することで、基礎研究およびレジリエンス社会の構築に貢献できるポテンシャルを持っている。講演ではInSARによる気象学と測地学の学際的分野をテーマとした私の研究を紹介し、今後の研究計画・構想について展望を述べたい。 /td>
企画担当・司会 高安亮紀(システム情報系 助教:リスク工学専攻担当)
問い合わせ先 2019年度RERM担当 高安亮紀(takitoshi"at"risk.tsukuba.ac.jp)

第178回リスク工学研究会
講演日時 2019年5月20日(月)18:30-19:30
場所 筑波大学総合研究棟B-0110公開講義室
講演者 本城慶多氏(埼玉県環境科学国際センター温暖化対策担当/主任)
講演題目 気候変動の不確実性と集団の意思決定
講演概要 将来の気候変動が社会にもたらす損害に対してあらかじめ備えることを「適応」と呼ぶ.適応研究では,気候シナリオに基づいて気候変動の影響評価を行うが,全球気候モデルに関連する不確実性のため,CO2排出シナリオ(代表的濃度経路)が同一であっても予測結果は大きくばらついてしまう.また,気候変動の影響は均一に顕在化するわけではなく,主体(例:自治体,工場,事務所,世帯,個人)に依存する.このような複雑な状況において,集団全体(社会)にとって効率的な適応策を設計することはきわめて困難な作業である.本講演では,埼玉県の業種別電力需給を題材として,気候変動の不確実性と集団の意思決定について考察する. /td>
企画担当・司会 鈴木研悟(システム情報系 助教:リスク工学専攻担当)
問い合わせ先 2019年度RERM担当 高安亮紀(takitoshi"at"risk.tsukuba.ac.jp)

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